教授×モデル

「さっきチラッと見たらさ、何かぼーっとしてたから」

「あぁ…」

「何かあったの?」

「ちょっと考え事しててー…。でも、もう大丈夫ですよ。あっ…じゃあ休憩終わるんで失礼しますね!じゃまた…」

心配かけたくないしごまかした。

…つもりだった。

「嘘つくなよ…。」

「え…んっ…」

壁に押しつけられ、まさかの口付け。

「俺だったら…そんな悲しそうな顔させない…」


綺麗に整ってるけど教授と全然違うその顔は、とても切ない顔をしていた。

「まゆちゃんが…、好き…なんだよ…」

耳元で、切なく、細い声で、言われた言葉。

振り払うことなんかできなかった。

けど頭の中は教授でいっぱいだった。

教授を信じてるに決まってる…。
でも…
この腕を振り払うことができない。

そんな風に悩んでるうちに、いつの間にかすっぽりと誠さんの胸に収まってしまった。

ー教授よりちょっと筋肉質…
ー教授と全然違うにおい…
ー教授と全然違う居心地…

「まゆちゃん…、俺と付き合おう…?」

一層、先輩の腕に力がはいった。

ー教授と全然違う…声…



~♪~♪~♪




この空気を壊すように私の携帯がなった。

「も…もしもしっ…」

電話はマネージャーから、早く戻ってこいという内容だった。

そのまま誠先輩とは話さず急いでスタジオへ走った。

「返事はいつでもいいから!!」

後ろからはそんな声が聞こえた。