[ambiguous]


悲しい色が瞳を掠める。

あまりに一瞬だったから
気付くのも 大変なくらい。


どうして?と聞いたって
何でもないよ。と答えること
分かっているのに
声に出さずにはいられない。



抱きしめた貴方の広い背中が
あたしは大好きで。

長くて綺麗な指も、

まるで魔法みたいに幸せになれる
『好き』って言葉も貴方じゃなきゃ
そこに意味なんてなくて。



ただただ悲しい色が
もう貴方の瞳を掠めませんようにと
祈ることしかできないあたしは無力。


約束なんてしたことなくて。
あたし達の関係はあまりに不安定で頼りない。

それでも、そこに思いが在るんだと
またあたしは願うだけ。




つまり
あたしは貴方に恋をしている。

貴方はたまにあたしを愛してくれる。