――龍樹サイド――


もう勘弁してほしい。


いい加減、そんな思いが頭を駆け巡りだした。


「…ドンマイ龍樹」


「ドンマイ」


「うんうん」


薫に続き、広西、丘田が肩に手を置いて頷く。


「…お前ら付き纏うだけならもうどっか行け」


「心の支えになってやってるのよ」


腕を組んで胸を張り、えらそーに威張って言うのは、騒ぎを大きくした張本人三納。


「ていうかぶっちゃけ他人事じゃなくなっちゃったものあたし」


「自業自得だろが」


「助けてやったのに」


…頼んでねぇしそもそも助かってねぇんだよ。


「ハァ…。やっと帰れた…な…………え"…」


ようやくうちと薫のアパートが見えてきて、ため息混じりに呟いた薫の言葉が止まり、見る見るうちに青ざめる。


「…?」


震える手で指差された先には…。


「……!?」