「おおおおおおいおいおいちょちょちょちょちょ!?」
どもり過ぎてまったく何を言っているのか分からない薫とはそれなりに付き合いが長い。
ぽかんとしている三人とは違い、俺が何をしようとしているのか察したようだった。
―ぐゎらっ
そんな薫のアホを無視して窓を開ける。
そして窓に手をかけ下との距離を測り…。
「きゃーーーーっ!?」
「んなっ!?」
「や、やっぱしぃーっ!?」
躊躇いなしに飛び降りた。
…なに大騒ぎしてんだあいつら。
二階だろーが。大した高さじゃねぇし。
「おい薫。帰りなんか買ってこいよ。丸一日なんも食わねぇとさすがに腹減る」
性懲りもなくまたうちに居ついている薫に言うだけ言うと、見つからないうちに大学の敷地を出た。
「あッ。いたわ!」
「でも篠原くんいないわよ?」
「どこに隠したのーーっ!」
「り……龍樹のばっかやろーーっ!」
あとに残された四人がどうなったかは……大体想像がつくけど。