ったく…。

なんで俺がこそこそ逃げ隠れしなきゃなんねんだ。

朝からあっちこっち…。

今なんか大学の裏の森の中だ。

しかしここも見つかった。


「あちょっと待ってよ! あたし達だってば!」


「…あ?」


こいつら……。


「いっやー、お前ほんと人気なのな」


「雑誌なんかに載りゃ当然よ」


けらけら笑いながら歩み寄ってくる男一人と女二人。

その顔に見覚えのあった俺は、幾分息をついて腰を下ろした。


「え? え? なに、知り合い?」


「あれ。篠原…あたし達以外に知り合いいたんだ」


「…どういう言い草だ」


睨みつける俺と三人を交互に見比べて間抜けな面をする薫。


「どーもー。三納雪菜(ミノウユキナ)ですっ」


「あ、あたしはねー丘田友香(オカダトモカ)だよ」


「…………あ俺? 俺広西。広西武人(ヒロセタケト)


そんなアホな薫に順に自己紹介をするこの三人。

実は入学当初から付き纏う、いわば薫の三人バージョンみたいなもん。