俺様狼と子猫少女の秘密の時間③


「う~ん♪水も滴るいい男♪」


そんなことを言いながら、ひたすらにシャッターを切り続ける無精髭の五十代くらいの男の人。

なんだか輝いて見えて、先輩とは違うかっこよさを垣間見た気がした。




――数時間後。


「ハァ……」


相ッッッ当疲れた様子の先輩が、あたしを覆うように抱きしめて大きくため息を吐いている。

撮影は思いのほか長引き、そのあとはファンになったという女の子たちにどわっと囲まれて…。

色んな意味で限界みたい。


「お疲れー先輩…だいじょうぶ?」


「ぜんっぜん」


あはは…。

で、でもぼったくりかってほどもらったんだし…ね…。

文句、言えないよね。

女の子たちはあの人の責任じゃないし。


「…ねー先輩。あのときなに言われたの?」


「あのとき?」


「うん。なにか言われて…それで引き受けたでしょ」


この人を動かしてしまうなんて一体何を言ったんだろう?

今後の参考にした…い、いや。ごほんおほん。