見て…みたい……かも…。
モデル…。
なにやんのか知らないけどかっこよさそう…。
「……❤」
「おいこら。…てめぇはなにヘンな考え起こしてんだ」
「ハッ…」
危ない危ない…。
現実に引き戻されてきょときょとするあたしの耳に、キンッとするくらいの大声が飛び込んできた。
「ギャラは一枚千円出そう! ごじゅーまいほど撮らせてくれ!!」
「アンタがやれば」
相当無茶苦茶なことを吐き捨てると、あたしの腰を抱くようにして半ば強引にその場を去った。
……はずだった。
「一枚千円だよ!? それがごじゅーまいだよ!? ねえ撮らせてよ!」
…なんっでこんなにしつこいの!?
しかも涙目なんですけど。
思わず同情しちゃいそうなんですけど。
「いい加減に…」
我慢の限界に達してしまったりゅーきくん!
キレかけたそのとき!
「~~~~~~」
おじさんが素早く彼の耳元に口を寄せ、なにか囁いた。

