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「……あ?」


「いっやーだからさ、キミモデルやんない?」


「……。行くぞ悠由」


両手をこすり合わせながらそう言ってくるおじさまはあまりにアヤしくて。

先輩はまるでなにも見なかったかのように、あたしの手を引いて歩き出した。


「ああ、待って待って。おじさん怪しいものじゃないんだよーほら。見て見てめーし」


しつこく追いかけてきて名刺をひらひらと目の前で振って見せる。

先輩はもんのすごい眼光を光らせて、「邪魔」と一言言い放った。


「ああっ。いいっ! いいねそのカオ!」


しびれるぅ~~! と唸りながら、あろうことか…。


「あ…」


「あ?」


―パシャッ…


「…あ"あ"?」


げ…。


「うう~ん! 最高のショット」


…あろうことか……畏れ多くも“あの”先輩を勝手にカメラで撮ったのだ。


…先輩の恐ろしさ知らないんだわっっ!

そんなことしたらそんなことしたら…。


「ころされるのに…」