入学式なるものをするための会場へ向かう間、近くに寄られることはなかったものの二メートルくらい後ろからぞろぞろと続く集団。

そういう目されて嬉しいのは悠由だけだっつーのに。



…そして。

その入学式なるものが終わってからが問題というものだった。


一人出たことによってタガが外れる。


そんな感じだった。



「篠原くん!」


「……」


誰。


「わ、私高校の時からずっと好きで…ここまで来ちゃって…だからその…」


追いかけてきた……ってやつか?

ハァ…。

んなんあのバカだけで十分だっつーの…。


「悪いけど無理」


そのあとに続く台詞は大体想像がつく。

今までも何通りか似たようなのがあった。

そのうちのどれかだろ…。


「し、篠原くん……」


悠由は何度かこういった場面に遭遇した。

その都度こんな風にあしらう俺を見て、あいつは必ず言う。