しばらくの機械音のあと、「先輩っっ❤❤」…となんとも嬉しそうな声色が耳に直接飛び込んできた。


「今家?」


『はい♪』


「そっか」


…可愛いやつ…。


『先輩はどこにいるの?』


「家……の外」


『の……外…?』


ハテナマークを浮かべて首を傾げる悠由の姿が目に浮かぶよう。

思わず含み笑いをこぼしかけた。


『あ、そーだ。杏子と美紅ちゃんとおんなじクラスになれたんですよ』


杏子と美紅ちゃん…。

ああ、あの二人か。

どっちか知らねぇがずいぶんと気の強い…悠由の姉みたいになってるの。


へー…ふーん。

あれなら安心できそうだ。

変な虫が寄りついても追い払ってくれそうだしな。


『あ、それに翔くんも』


「……」


……さっそく変な虫ついてんじゃねぇか。