―――……
「で! どうだった?」
「なにが?」
翌日学校で、いきなし杏子に詰め寄られた。
キラキラと輝かんばかりの瞳で。
「なーにがじゃないわよー。先輩よせ・ん・ぱ・い」
「あ……そおだ! 杏子も美紅ちゃんも分かってたならー…」
「あらー分かってたんじゃなくてよ」
「美紅ちゃん…」
「悠由が拉致られた瞬間にね、サングラスの隙間から『黙っとけ』って言われたの」
……はあ?
「まー騒がれて気付かれるのがイヤだったんでしょーね」
…………はあ?
「で、なんだ先輩かって気付いたわけ」
「……」
なんじゃそりゃ。
てか先輩もなにやってんすか。
杏子に睨み利かせてどーすんの……って違うか。
それ以前に来るなら言おうかってことだよね、うん。