結局、授業は全く頭に入らないまま 放課後になった。 「美代、帰ろー」 そう言いながら凛がこっちに駆け寄ってきた。 あ、そーいえば今日、 日直…日誌書いてない…! 「ごめん!今日、日直だから凛、先帰っていいよ」 「え、待つけど…?」 でも凛、家庭大変じゃん… 凛の家は母子家庭でお母さんが夜勤とか多くて大変だから 凛が妹と弟の面倒をみてる。 「いや、大丈夫だよ!私、帰りちょっと寄るとこあるし」 「…そう?じゃあ…先帰るね!ばいばい」 凛はそう言って申し訳なさそうに教室を出ていった。