~授業後~
依然続いている台風もどきは雨足を緩めることなく
怒涛の大粒を、地面にお見舞いしているのであった。
タツヤが俺に近寄ってきた。
「カケル、お前その感じ、傘もってきてねぇだろ??」
「あっ、もしや図星?はっはっはドンマイドンマイ」
「俺の傘には入れてやんないぜーははは。」
どこか憎たらしい性格だ。
しかし、タツヤのいってることは間違ってない。
雨具を持ってこなかった俺の責任だ。
どうしようか。
・・・・・おれは少し考えた。そしてある選択肢に行き着いた。
そのまま帰る。
いやいやいやいや、ダメだろぉ・・・・これは・・・
台風みたいな大雨の中どうやって帰れってんだよ・・・
もう一つ閃いた。
職員室に傘を借りに行こう。
こんな簡単な手段に気づかないとは・・・
俺も歳か・・・いやまだ17歳だが・・・
「!!」
しまった・・・今日はワ○ピースの日だった!
録画予約してねぇ!!
早く傘を借りて帰らねば!!
「タツヤ!今日はゲーセン無しな!」
「俺用事思い出した!!」
「カケル!っておい・・・」
「別に今日は行こうっておもわねぇよ・・・」
「第一こんな雨の中ゲーセンなんていくかよ。」
俺は必死に職員室に向かって走った。
俺は一瞬「ヒョウより速いんじゃないか?」と思うほどの
全力疾走で廊下を駆け抜けた。
良かった、授業後から大分時間たってるおかげで
この全力疾走を周りの生徒にひかれることは無かった。
本当は、「ぶつかったりしなくて安心」なほうの気持ちが強い、と思う。
俺は廊下を走りきり階段を下りて職員室を目の前にしたときだった。
階段の向こう側の廊下は、現在改装工事で入れないので、
しかも今日はこんな大雨。作業員は1人もいない。
人はいないはずなのだが、なぜか1番奥の教室が光っている。
なんだろう。
もしかして、3日前の・・・
俺は、誰かに洗脳されているかのように
恐る恐るその教室に向かうのだった。
すこしずつ近づいていき
俺はゆっくりと扉を開けた。
そして、教室にいたのはなんと
「アヤ」だった。
