咲は小さな声で俺の名前を呼んだ。








「ナツ、君。」









咲が俺の名前を呼ぶたびにいつも、胸がくすぐられる気持ちになった。










「・・・ナツ君」










遠慮がちに俺を呼ぶ声が大好きで、照れながら俺の名前を呼ぶ君が大好きで。










「ナツ君・・・?」











君が“ナツ君”と呼ぶようになって、その呼び名は特別になった。