止まらないハルを止めたのは、麻垣先生。


子供を見るような瞳で、ハルを諭してる。


『雛乃』はやっと解放された、とでも言うように、加納稚世に抱き着いてる。


それを見て不満そうにぼやくハル。


「…………ヒナのバカヤロ」


その顔があまりにも本気で、思わず吹き出してしまった。


「あはははは――ッ!! 本当、面白いよ。流石ハルの妹だね。」


ぽかーんとした、『雛乃』の顔が、あまりにもハルと似ていて。


「……ははっ、退屈しなそうだね。君達がいれば。」


今までの緊張や不安が、吹き飛んだような気がした。


……『雛乃』は、この時のオレにとって、ただ面白いハルの妹。 それだけだった。