-Side水陽-
「あ、ヒナ? 今何処に居るの!? ……え、公園!? 傘は?」
姉貴が降り出した雨を窓の内から見詰め、雛乃へと電話をかける。
公園と聞こえたから、大方知香子を連れ込んで先輩に喧嘩を売ってるんだろう。
(…知香子の迷惑も考えて欲しい。だからあいつはダメなんだ)
――その頃のオレは、ヒナが嫌いだった。
先輩の言う事を鵜呑みにして、父母にチクるような、どうしようも無い最低なガキ。
それがヒナを追い詰めていたなんて、何も知らないで、ぬくぬく過ごしてたんだ―――
「蒼葵! ヒナ帰って来るって?」
水哉アニキの、心配した声。
雛乃が先輩達に何をしてるかなんて何も知らずに、怪我の介抱をする兄や姉は、オレにとって理解できない存在だった。
「あ、ヒナ? 今何処に居るの!? ……え、公園!? 傘は?」
姉貴が降り出した雨を窓の内から見詰め、雛乃へと電話をかける。
公園と聞こえたから、大方知香子を連れ込んで先輩に喧嘩を売ってるんだろう。
(…知香子の迷惑も考えて欲しい。だからあいつはダメなんだ)
――その頃のオレは、ヒナが嫌いだった。
先輩の言う事を鵜呑みにして、父母にチクるような、どうしようも無い最低なガキ。
それがヒナを追い詰めていたなんて、何も知らないで、ぬくぬく過ごしてたんだ―――
「蒼葵! ヒナ帰って来るって?」
水哉アニキの、心配した声。
雛乃が先輩達に何をしてるかなんて何も知らずに、怪我の介抱をする兄や姉は、オレにとって理解できない存在だった。


