〜*〜*二年前*〜*〜
-Side雛乃-



「消えろ、クソ女」
「失せろ、カス男」



私達は似た者同士。


悪口のボキャブラリーも、タイミングも。


違うのは、その容姿と性別。




「あんた、歌手になるんだって? 正気?」


その頃は、確か水陽がスカウトされ、芸能界に興味を持ち始めたあたり。


勿論相も変わらず私の容姿は平凡で、特出していたのは――ケンカ。



不良と呼ばれる程ではなかったけれども――…、水陽絡みでケンカを売られる事は多かったのだ。(主に年上のお姉様方に、ね。


そんな私のケンカの理由も知らず、お姉様方に騙された水陽は暴力女と私を非難し、蔑んだ。


そんな苦労も知らずぬくぬく暮らす水陽が大嫌いで……やっぱり、好きだった。