ビクリと身体が跳ねた瞬間、また畳へと押し倒された。


さっきと違うのは、志島君が私に密着していない事。


今は、彼の細い指が私の喉にかかっている。


そして、私を見下ろす憤った瞳。


「―――っ、!」


怖い、と感じた途端に指に力が込められた。


「お前に何が分かる。過去に何があったって、今は笑ってられるじゃないか。十分幸せなんだろ?
そんなお前に、何を変えられるんだよ!」



最後の声は半ば叫び声だ。


殺す気は無いにしろ、指で気道を塞がれかけているのだから、その手を掴む指にも力が入る。


がり、と自分の爪が他人の皮膚を裂く感触。