「佳祐君、アタシ南野美月(みなみのみずき)! よろしく!」


南野さんは、普段見せないような上目遣いで志島君を見つめる。


けど、志島君は小説から目を逸らさずによろしく、とだけ呟く。


南野さんは、クラス1の美少女。


志島君や水陽のファンクラブにも入っているらしい。


……ていうか、この南野さんになびかないなんて、流石芸能人。



そんな事を思っていると、南野さんに話し掛けられ続ける志島君が口を開く。


「……前向いたら?」