「もうっ、探したんだからー!」
ちょっと怒った顔で現れたのは、歩夢の彼女セナ。
「何だよ、何かあった?」
「何かあったじゃないって。まぁ良かった、ちょうど大雅もいるし」
セナのその言葉に、何だか良い予感はしない俺。
「ねぇ大雅。ナミ、結構マジで大雅のこと好きだったんだよ?もうさ…お願いだから私の友達には手出すのやめてくれない?」
予感、的中ーーー
「なに、お前ナミとどうしたわけ?」
ベンチの真ん中に座っていたテツの隣から、歩夢が俺の顔をのぞく。
「あぁ…なんつーか…断ったんだよ、ハッキリ」
「断った?あ、マジで付き合ってくれってナミに言われたわけ?」
テツが隣からそう聞く。
「おー。だからそれは無理だって、付き合う気はないって言ったんだ」
そう答えると、セナの視線がジーッと突き刺さってきた。
「それだけじゃないでしょ」
「…」
「別に好きじゃなかったって言ったでしょ?」
「…はい」
俺がそう言うと、セナは目の前に歩いてきて。
「バカ!ハッキリ言い過ぎ」
俺の頭にゴツんっとゲンコツをした。



