ジーンと痛む左頬を抑えながら、俺は歩いていくあいつの後ろ姿を見ていた。



「ハハハッ、バカじゃね?あいつ」



そして、姿が見えなくなるとそう言いながら笑ってみせた。



だけど、周りは失笑。

何だか気まずい空気になっていた。



「つーか、俺に紹介してくれようとしたナミって子、大雅の女なの?」


「あーーっ…いや、女とかじゃねえよ?付き合ってるとかじゃねえし。ちょっと遊んだだけ」


「マジかよ…つーかお前タチ悪くね?」



リュウは苦笑い。



「お前のお古とか勘弁してくれって」


そう言うと、またな…と、受付を済ませてカラオケに入っていった。