『大雅!なにボーっとしてんだよ』
『ほんと、さっきから呼んでんのにフル無視はナイっしょ』
『へっ?』
後ろから膝をカクンとされた俺がマヌケな声を出して振り返ると、そこには歩夢とテツが立っていた。
『へっ?じゃねーよ。お前さぁ、たまに気持ちどっか行ってるよな』
『そうそう!時々ひとりの世界に入ってるっつーかさ』
二人はそう言って笑っていたけど。
こいつらが俺のことを心配してくれていることは、俺にはちゃんと伝わってくる。
小学生からずっと友達でいる歩夢とテツ。
二人は……
俺の母親のことも少しは知っていたし、ガキの頃から…ずっと友達だったから。



