「えっ、何で笑ってんの夏美ちゃん」
げっ…
思わず笑っちゃった一瞬を見られた。
「いや、笑って…ないです、すいません」
いや、笑ったけどね?
「つーか、夏美ちゃん。近くで見たら可愛いかも」
は?
っていうか、
勝手に夏美ちゃんとか呼ぶなーーっ!
「いや、あん時はさ、あ、あの時。大雅が校庭で声かけた時。あの時はさー、何で大雅こんな普通っぽい子に声かけてんだとか思ってたわけ」
「…はぁ…」
普通の何がいけないんですかね?
「でも近くで見たらかーわいっ!」
大江歩夢はそう言うと、二カッとはにかんで。
「あ、俺お・お・え・あ・ゆ・む」
えっ、分かってますけど。
っていうか名前は知ってたし、今ここにもひらがなで書いてんじゃん。
伝票にチラッと視線をうつして、つくづくバカだと感じた。
やっぱバカの友達はバカなんだな。



