先輩… 気付いてなかったよね? そんなことを考えながら、必死で漕ぎ続けた自転車。 無我夢中だった。 信号待ちをする永瀬先輩の姿に気付いただけで…あたしは思わず逃げるように走っていた。 あれ? しばらくすると、息を切らしながらあたしはキキーッとブレーキをかける。 見慣れない場所。 結構走ってきちゃったな…。 何も考えずに走り続けたせいで、あたしはよく知らない隣町まで来てしまっていた。