気付いたら、温かい腕に包まれていた。


どうしてこんなことになっているのか、って思うけど…

だけどそれが別に嫌でなくて。


気付いた瞬間…

清原が泣いてるって分かった瞬間。


受け止めてあげたい、悲しいこと全部取り去ってあげたい。

分けられるのなら、半分でもいいからあたしに分けてほしいって。


ーーーそう思ってる自分がいた。



背中から伝わってくる早い鼓動。

熱のある清原の体はとても温かかった。


静かな時間が過ぎていった。

だけど二人しかいないその空間は、すごく心地良くて。


ずっとこのままでもいいかも…なんて、そんなことを考えてしまっていた。