「薬は?」


「だから大丈夫だって」


「大丈夫なわけないでしょ!とりあえず体温計、どこ?」


怒ったような顔で俺を見ている相原に、思わず言葉を返してしまってた。



「リビングの…茶色い棚の真ん中らへんの…引き出しん中」


「茶色い棚の真ん中ね、分かった!」



慌てたように部屋から出て行った相原。

ボーッとする頭をコンコンと叩いた俺は、やたらと熱い体にひどいダルさを感じていた。


朝起きてからずっと。

寒くなったり熱くなったり。


何かすげーしんどくて、学校を休んだ。


熱はあえて測ってなかった。

熱があることが確実だと分かると余計にしんどくなるような気がしたからだ。



「あったよ!体温計!薬もあった!」



相原は部屋に戻ってくるなり体温計を俺の脇に突っ込んできて。


ピピッと鳴った体温計を俺よりも先に取ると、呆れた顔でため息をついた。