自分がどこかおかしいんじゃないんか、って思う。
あいつが笑ったら、トクン…と音が鳴る。
話しかけられたら、変にドキドキする。
存在を、気にするようになった。
「最近仲良いよね、夏美と清原くん」
「えっ?あたしがあいつと!?やめてよ春ちゃん」
「え、だって仲良いじゃーん♪」
七月半ば。
傘をさしながら自転車を押すあたしの隣で春ちゃんがからかうようにそう言った。
仲良い?
あたしとあいつが?
まさか。
「そんなことないし。やめてよあんな奴と仲良いとか」
そう否定したけど。
どこかでそれが嫌ではなくて。
すぐ目の前に見えた水たまり。
それをチャポンと踏んで雨水が跳ねると、心も一緒に跳ねたような気がした。



