「そうなんだ…」


翌日、あたしは春ちゃんに全部を話した。

先輩との最近の経緯と、昨日の出来事。

それと…あいつが助けてくれたこと。


そしたら春ちゃんは、何だかずっと落ち込んだような顔をしていて。



「言いにくかったのは分かるけど……やっぱり言って欲しかったな」


そう言って、寂しそうに笑った。


親友の春ちゃんにこんな顔をさせてしまったあたし。

後悔でいっぱいになる。



「本当ごめんね…」


謝ることしかできなかったけど、すぐに春ちゃんは言ってくれた。



「でも良かったよ、夏美が無事で」


「春ちゃーん…」



緩んでいく涙腺。

あたしが無事で良かったと微笑んでくれた春ちゃんに、胸がぎゅーってなった。



「こらこら、夏美が悪いんじゃないんだから泣かないの!」


言いながら、春ちゃんはあたしの頭をポンとしてきて。



「救世主に感謝だね」


そう言って、また笑った。



救世主。

あいつのことをそう言った春ちゃん。



昨日のことを思い出したら、ふと不思議に思った。




「っていうかさ、何であいつ…助けてくれたんだろ」



あのビンタ以来、あいつのことは避けていたし、話すこともなかった。

目が合っても逸らしてた。


関わることもなかったのに。