慌ただしく過ぎていく時間。
その日のバイト中は、それなりに忙しくてボーッとするヒマはなかった。
オーダーを運んで、片付けと掃除の繰り返し。
だけど、何も考えなくていい時間は逆に好都合だった。
少しでも手が空くと、あいつが頭に浮かんでくる。
どうしてなのか、それが自分でもよく分からなくて、慌ただしく過ぎていく時間に助けられていた。
そして9時までのバイトも、あと30分というところまで来た。
時計を見てもうすぐ上がりだな…なんて思っていた時だった。
「あれ?」
目の前から聞こえた声に、思わず歩いていた足が止まった。



