どこまで連れて行く気なんだろう。
掴まれた腕は廊下で離されたけど。
三浦さんはそのままスタスタ歩きだして、あたしはその後ろをついて歩く。
そしてそんな三浦さんの足がようやく止まったのは、校舎の四階の屋上に上がった時だった。
「あのさ」
くるっと振り返った三浦さんの髪を、生ぬるい風がフワッと揺らす。
雨上がりのジメッとした空気は、梅雨独特の嫌な感じだった。
「休み時間もうあと5分もないし短く言わせてもらうけど」
三浦さんはジッとあたしを見てそう言った。
「うん」
そしてあたしが答えると、すぐにまた口を開く。
「まずナミのこと。あれは大雅だけが悪いんじゃないから」
「えっ?」
「ナミ、確かに本当に大雅のこと好きだったけど…私は最初からやめときなって言ってたの。あいつ、女に本気になんないし、付き合うとかそういうのはないからって、ちゃんとそう言ってたの」
「うん…」
「でも、それでもいい、付き合いたいとかそういうんじゃない、遊びでもいいからどうしても大雅と遊んでみたいって言われて…それで私がカラオケで集まることをセッティングしたのね」
三浦さんが…そうなんだ。
「でも、そもそもそれが間違いだったの。気付いたら二人はいなくなってて…そういうことになってて」
三浦さんはそう言うとはぁっと重いため息をつく。
「私もさ、ちょっとだけもしかしたら…って期待したんだ。ナミ本気だったし、私の友達だし。大雅もちゃんと考えてくれるかな?って。だけどやっぱり大雅は大雅だったんだ」
大雅は…大雅?
「あいつ、女のこと信用できないの。いろいろあってさ…」
「いろいろ?」
聞き返しながら、何故だかドキドキしていた。
もしかしたら、心のどこかであいつのあの性格がどうなってああなったのか。
それを知りたいと思っていたのかもしれない。



