「よっしゃー!レアアイテムゲット!」
先に校舎に戻った歩夢とセナ。
残された俺とテツは、二人でケータイ片手にゲームをしていた。
「マジ?何のアイテム?」
テツのケータイを覗き込んだその時、笑い声が聞こえた。
「アハハハッ」
この声…
「笑い過ぎだって、夏美」
「だって超面白いんだもん春ちゃんのお母さん」
やっぱあいつだし。
後ろを歩いていく相原夏美の声に、何故か少し姿勢が伸びた。
「でねっ、結局それ食べちゃってさ」
「食べたんだ!?アハハハッ」
だけど、そのまま遠ざかっていった声。
「これをさ、って大雅聞いてる?」
「へっ?」
「へっ?じゃねーよ、攻略法教えてやってんのに」
テツはそう言うとケータイ画面をわざと俺に隠した。



