あきら、19歳










七月




『あきら、そろそろお客さんと同伴しなさい』

ママが急に真剣な顔で言ってきた
同伴?
うちのお店はノルマが無いんじゃないの?
だから楽しくやれたのに


『あきらちゃん、俺が同伴してあげようか?』


仲良くしてくれるお客さんがそういってくれて助かった
だんだん色んなお客さんの席に着いて仲が良いお客さんが増えた。

携帯のアドレス帳に顔が思い出せないお客さんのアドレスも増えてきた


同伴って難しい。
お客さんの空いてる日と自分が空いてる日を調整しないといけない
たまにカフェのバイトでシフトを無理言って変更してもらった



ある日ホステスの仕事を終えて家に帰ると
いつも寝ているお母さんが起きていた


『大学行ってないでしょ?』

…行ってません

『どうするの?』

めんどくさい

『じゃあ辞めなさい、その代わり、もう知らないから』

…うん


この頃カフェとホステスの仕事で給料が月に20万ぐらいあった