「ゆきさんお帰りなさい。」





満面の笑みを浮かべてソファーの背もたれから私を見下ろしている私の彼氏。





なんでいるの?





「合鍵もらったから来ちゃった!晩ごはん作ってこっそり待ってたの。」





ポカーンとしている私の頬を突っつきながら楽しそうに話す彼。






「でも部屋の電気消えてたし…」





「鍵あける音がしたから急いで消した!ゆきさん驚かそうと思ったのに寝ちゃいそうだったから…」





ほっぺをふくらませつまんない、と文句を言う彼。勝手に私のエプロン着て伸びて邪魔だといった茶色い髪をやっぱり勝手に私のゴムで結んでる。





本当に…





「マロン!ほら、おいで!」




実家の愛犬マロン(♂)にそっくりで癒される。





わん、と言い笑いながら私の腰抱きついてくる彼。そんな彼のふわふわな髪の毛を撫でる。






「もうすっごい嬉しい。ありがとう、マロン。」





「じゃあゆきさん、僕にご褒美ちょうだい?」





絶対計算だと思う上目遣いで私を見る彼。男のくせに私よりも確実にかわいいし乙女だと思う。でも好き。





「できる範囲なら。お金かかることなら却下。」






「一円もかからないよ!」





ゆきさん、僕の名前いっぱい呼んでいっぱいキスして。





そのあと僕の作ったご飯食べながらお酒のんで一緒にお風呂入ろ。





で、一緒に寝て…





明日のゆきさんの休日僕にちょうだい?






【いいに決まってる】






返事のかわりに彼に甘い口づけを






-END-