恋屑(コイクズ)-短編集-


「いや関係できちゃったでしょ、だってオレ見ちゃったじゃん」





「じゃ、授業に戻れば?今、授業中なんだし」





「嫌だよ、せっかくサボりにきたのに」





もうなんだよ、この人





「じゃ他のところにサボりに行けば?」





「それも無理、ここ好きだからね」





「…あっそ、じゃー…」





屋上に人が来るなんて予想外だけど私には関係ないや





再び私はフェンスを乗り越えようとすると






右手首を捕まれる





「…何?止めるの?」






「いや、自殺するってことはそれなりの理由があるってことでしょ?」





なら止めないよ、なんて言ってるくせにつかんでる手首を離す気配なし





「邪魔なんだけど、離して?」





「無理」





「何で?」





「止めないけどさ、オレのいる前で死なれたら疑われちゃうじゃん」





「だからー…「今日はやめれば?」」





私の声をさえぎり何を言い出すかと思えば『今日は』って…





ね?とか言いながら無理やり私を隣に座らせる





本当にこの人ムカつく





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