「なあ、おまえ逃げようとしたの?」






ドスー…






鈍い音がして呼吸が一瞬できなくなる






「ゲホッ、ゲホッ…」






お腹に痛みを感じてやっと私は蹴られたことに気づく






頭と身体が一致しない感じ






「ごめー…なさい、違うの」






ほら、まただ






頭で考えていることとは違う言葉が口から勝手に出ていく






自分の身を少しでも守ろうとするために






「何が違うんだよ、」






床に倒れている私の髪を掴み無理やり顔を上げられる






私が何も話さないでいると乱暴にベッドへ






私の上に覆い被さり激しい口づけ






呼吸がもたなくて無力ながらも彼の胸を叩くと両手をおさえられ頭上へ






少し空いた私の口へ舌が入ってくる






甘くない欲に満ちたキス






口が離れると私の服を無言で引きちぎる






「いー…やぁ……」






弱々しく抵抗の声がでるけど無駄なことくらいわかってる






身体は拒否しているのに私の頭はすごく冷静






また一致していない






いつからこんな関係になったのだろう






最初は普通だったはずなのに






私は今日も白い白いかごの中






でも、もう探さないよ






カギはなくしたままでいい






ずっとずっとあなたと一緒にかごの中…






-END-