【拓真Side】


あぁ~、だる。


ずっと仕事続きだったから、体がだるい。


俺は調理室の引き戸を開けて、中へと入った。


仕事で学校を休むことが多いが、やっと他人に見つからない場所を見つけたんだ。


それがこの調理室。


廊下は人通りがほぼないし、静かでなかなかいい場所だ。


俺は窓を開けると死角になりそうなすみの席へと腰掛ける。


まだまだ暑くて、俺はいつものように変装をといた。


窓の外に目をやれば、夏の厚い日差しに照らされた大きな木が見える。


そう、あの女に足を踏まれたあの木だ。


まったくあの女は!


言うこときかないし、反論するし、本当に扱いづらい。


いつバラされるか気が気じゃない。


もうこの手段しかないか……。