「だって学校のヤツなんかの名前覚える気ねーもん。で、お前の名前何なんだよ?」
アイツはとんでもないことを言いながら、薄い唇で嫌味な笑みを作る。
「ホント嫌なやつね……。まあ話しになんないからいいか。」
あたしはコイツに常識を言うのはやめようと悟ったのでした。
「でも、あたしの名前ぐらい覚えときなさいよ!太田実來!いいわね?」
だけど、このくらいは最低でもしなきゃね。
でも、あたしが言ったのにアイツは顎に手を当て、何か思案しているようなそぶりを見せる。
「ちゃんと聞いてんの!?」
「わかった、ちゃんと名前で呼んでやる。この俺がな。」
整った顔がエラそうにニヤリと笑う。
「お前は――、“オタミク”だ。そう呼んでやる。」
はっ??
「何それ?」


