「おい、どうしたんだよ?」
アイツが意地悪気にあたしの顔を覗きこもうとする。
あたしはとっさにそっぽを向いた。
本当にあたしおかしいよ――。
アイツが神崎拓真になった瞬間、あたし……。
い、いやいや、今はそんな場合じゃない!
「て、ていうか、アンタそんな恰好でいたらお母さんにばれるわよ!!バレてもいいならいいけどね、ハハ!」
「だったら、来たときにお前が出て入れさせなければいいだけだろ。」
は……?
はぁ――――!?
何なの、この上から目線!
もう限界よ!
「何その言い方!?頼み方ってもんがあるでしょ、頼み方ってもんが!!それと、まず“お前”ってやめなさいよ!いっつもお前お前って!!」
あたしは掴みかかる勢いで言ってやった!


