「拓真君の人気はすごいよね!まだデビューして3ヵ月なのに、すごいとしか言いようがないよ。拓真君は人柄もいいしね。」


客席を見渡しつつ俺に言う。


「ははっ、そんなことないですよ。俺なんてまだまだです。」


笑いながら適当に謙遜しておく。


自分でいうのもおかしいが、女子中高生を中心に支持され、スタッフさんからも信頼されてる。


「また次回もよろしくお願いしますね。では、今日は失礼します。」


「また、よろしくねー!」


俺は丁寧に頭を下げてからその場を後にした。


これぞ完璧なアイドル神崎拓真だ。


俺を知らない女なんて、

惚れない女なんて

いないわけがない。