「あの、玲、えっと、事情があってね……。」
あたしが苦し紛れに言えば、玲は泣き喚きだしちゃった。
あぁ、どうしよぉ!!
その時、声がエマちんに切り替わった。
「実來ちゃん、玲ちゃんは大丈夫だから、心配しないで。山田君、あやしいと思ってたの。うまくいくことを祈ってるからね。またね、実來ちゃん。」
そうして、電話終了。
あの時、あたしは思った。
――エマちん、すげぇ!!
すげいことをサラリと!!
エスパー!?って!!
ホントすごかったな。
でも、うまくいくようにって何??
……スキャンダルが早く片付くといいねってことかな?
廊下の壁に寄り掛かってぼんやり考えていると、突然電話が鳴った。