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嫌でも耳に入ってくる周りの陰口。


俺は撮影用のセットをぼーっと見ながら、そんな陰口を聞いていた。


「もうスキャンダルなんてびっくり。」

「バカだよな。色々影響出てくるぞぉ。迷惑だよな。」


普段は調子のいいこと言っといて、ダメになればすぐこれだ。


芸能界なんて人気がすべて。


ちょっとしたスキャンダルがもう命取りってことかよ……。


――ホント、おそろしい世界だな。


大きくため息を吐きながら、椅子の肘かけに肘をつき頬杖をついた。


「おい、拓真。」


上から降ってきた声に視線を向ければ少しやつれた顔をした池田さんが。


あぁ、いい話のわけがないよな……。


「何ですか?どんな悪い知らせですか?」