フライパンを火にかけて、片手で卵を割っておとす。


そして、焼けるまでの間に2人分の皿を出して並べる。


それにしてもアイツまだ起きないのか?


そう思った瞬間、カチャリとドアが開いた。


様子をうかがうように顔を半分出したアイツは目をキョロキョロさせる。


観察していた俺に気付いたのかアイツは顔を真っ赤にしてドアの影に引っ込んだ。


気にしてんのかよ、面倒くせーな。


「居候のくせに突っ立ってんじゃねーぞ。働かざる者食うべからずだ。」


「わ、わかったって。でも、アンタ料理できんの?」

聞き捨てならないことを言いながら、近づいてきたアイツの頬を思い切り横に引っ張ってやった。


「俺を誰だと思ってんだ?あぁ?」