「何でここに!?ウソだろ!?こっ、こんなオタク女と!?」


うぜぇな、この男。


「何考えてんの、アンタ……!こんなことして!」


あぁ、コイツまで騒ぎだした。


俺は強くコイツを引き寄せて耳元で囁く。


「ちょっと大人しくしてろ。」


俺は改めて男に向き直ってこう言い放った。


「あなたに言う資格あります?何を好きだろうと自由でしょう。失礼します。行くぞ、実來。」


豆鉄砲を食らったような男の顔を尻目に、俺はアイツの腕を引いて歩き出す。


窓の外に逃げていく記者らしき姿があったが、仕方ないよな……。


俺はうるさいギャラリーの群れをかきわけ、店員に金を押し付けると店を飛び出した。