俺がいる曲がり角の柱の影はアイツからの距離も近く様子をよくうかがうことができた。


一緒にいる男は、金髪にピアス、他の高校の制服を着ている。


見るからにチャライが、顔立ちはまあまあってとこか。


もちろん俺と勝負になるレベルじゃないけどな。


それにしても、どういう状況だ?


まさかオタミクに限ってナンパはないだろ。


想像しただけで笑えてくる――!


オシャレになんて気を遣わないオタク女だからな。


俺は面白くなって、また気付かれないよう柱からこっそりと2人を覗き見る。


その時、あのチャラ男の声が聞こえてきた――。