【拓真Side】


あぁ、息苦しいことこの上ない。


調理室に立ち込めるよどんだ空気に俺は苦しくなってきていた。


窓からは綺麗な秋晴れの空が見えるってのに、コイツは何でこんなに最近曇ってる?


「この間からどうしたんだよ?俺の休憩時間をよどんだ空気で充満させるな!何があったていうんだよ?」


俺は自分の周りの負の空気を手で寄せ付けないように払いながら、ぼーっと一点を見つめるアイツに声をかけてみた。


「別に。」


「少しぐらいなら話聞いてやってもいいぞ。」


俺がこんなこということは滅多にねーぞ。


まあ、俺はこんなオタミクにも寛大な心を持ってるからな。


譲歩してやったにもかかわらずアイツの口から発せられた言葉はまったく恩知らずな言葉!!


「何その上から目線?こんな時、祈織お兄さんなら優しくしてくれるのに。」


――コイツッ!!