この俺をこんな扱い方しやがって!


クソ爽やかな水無月祈織も、バカなアイツも!!


俺の中で何かがプツンと切れた――。


「どうも、水無月さん。まさかここでお会いするとは思いませんでしたよ。」


俺は神崎拓真の優しい笑顔をたたえ、カツラをひょいと一瞬とって挨拶をした。


「ちょ、アンタッ!!」

「か、神崎君!?」


水無月祈織はあまり見たことのない驚きの顔を見せていて、ましてやアイツに関しては放心状態になりかけてる。


「驚かせてすみません。でも水無月さんが来たことにも驚きました。知り合いなんですか?」


「あ、あぁ。実來ちゃんの兄の彰とはモデル仲間でね。たまに遊びに。あっ、でも神崎君は?」


まだ驚きの色が消えない水無月祈織は少ししどろもどろになりつつそう言った。


「実來とはクラスメートなんです。」