【実來Side】


高級そうな白い外車に何故か乗っている、私、太田未来。


静かな走行音、乗り心地のいいシート。


そしてチラリと横を向けば、運転する横顔がカッコイイ祈織お兄さん。


この車に祈織お兄さんってすごくいい画だよね。


てか、あたしが助手席に乗ってるっておかしいくない?


「……あの、祈織お兄さん、今日はどうしたんですか?学校にまで……。」


学校の正門前に現れて超びっくりした。


だって車は目立つし、変装なしの祈織お兄さんはどこに行ったって注目の的だ。


「あぁ、ごめんね、実來ちゃん。迷惑かけちゃったね。」


「いえ、あたしのことなんかいいですけど、祈織お兄さんが。」


運転しながら少しあたしの顔を見て苦笑いする。


自分より他人の心配をするところがなんとも祈織お兄さんらしい。