「待って!!捨てないで!!」


必死な叫び声とともに、下からガシッと抑えられた俺の腕。


その正体は、もちろんアイツ。


やっとかよ、おせーな。


「すみませんでしたっ!!言うことききます!だから、捨てないで!いや、あたしにください!」


アイツは即座に後ろに飛び退くと、二つおりになりそうな勢いで深々と頭を下げてきた。


アイツの変わり身の早さに笑いが漏れそうになるのを堪える。


「確かにきいたぞ。今更、変更はできないからな。」


顔だけ上を向いたアイツに、俺はニヤリとして言った。