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辺鄙な田舎住まいだとお店も少なく、同級生も――と言うより子供が少ない。

県で見ると住まいは郊外だが、駅の周りはさすがにスーパーや飲食店、

古めかしい商店通りがあるので、一応生活の基盤は備わっている。


幸い我が家は駅から歩いて十分もかからない場所なので、交通の便にも恵まれている方だ。

友人の中には駅まで車で一時間かかるので、毎朝親に送迎してもらっている者もいる。

そんな地元。五ヶ月後に大型ショッピングセンターが建つ為、

便乗してめきめきとお店が増えてきたように思う。

というかかなり変わった。バイパス沿いみたいに道路の両端にお店が並ぶようになった。


――なんてローカルネタはそこに住んでいない人からすれば、

非常に興味がないので退屈していることだろう。

省ける部分はカットしよう、無駄遣いをしないエコライフなんて素晴らしい。



 んー……

中学の頃は服を買うにもダッサイものしかなかった。

雑誌に載っているようなブランド品なんてとても手が出せなかった。


だからだった。

手芸屋であれこれ揃えて服をアレンジするのが好きになって――

――だからマドカ高校を受験した。

センスが磨けない分、空想の中であれこれ服をコーディネートするのが楽しくて……


今更になるが、彼が通うマドカ高校の服飾コースとは、

県内では将来ファッションデザイナー(またはそれ関連の職業)を、目指す人の聖地であるとされている。