青臭いと自覚している。
こんな自分は大人たちにゆとり世代だと笑われることくらい。
けれど雅は引かずに受け入れてくれるから、洋平は舌を動かした。
それも相手に喋らす隙を与えぬスピードで。
だって、同級生や同郷の友人たちによる結衣と洋平に対する何気ない会話は――愛を悩ませる。
核を揺らがされるから、自分の愛の示し方が不安になる。
「弁論大会、あはは。ご静聴ありがとうございます。あはは、もしも、もしもよ? イフの例えばパターンだから流して聞いて。
あのさ、もし俺が避妊しやんくて、それ黙認する田上さんなら俺は嫌だ。そんな彼女嫌だ。
ちゃんとゴムしてって言う子であってほしい……別れるって、アタシのこと大事じゃないの的に泣く子であってほしい。
あはは、なんか意味不明だな? でも真面目な話だよ、真面目になりたいんだよ」
耳を引っ張ると、聞こえない声が全て吸収できたらいいのに。
洋平は見えない闇を睨んでお喋りを続けた。
「俺が面倒臭いからって避妊しやんくて。田上さんに赤ちゃん産まれたからと自分は果たして親になれるのかー、とか」
一旦区切って、もう一度何かを睨んでから洋平は雅に気持ちを伝えた。
わざわざ話す必要もないが、自分は人として普通に未熟であって、
また洋平目線では結衣を心性が優れた人だと思う点も多々あるけれど、
本当の大人たちからしたら、当然彼女も彼氏同様中身はガキなのだと。
。
「愛が命が母性がとかって産んだらさ? 頑張って育てて一緒に成長します、とかっても現実は……」と、
言ったところで、洋平は父親の立場を経験していないのだから、
仮定の話でいくら熱弁しようが、説得力に欠けることは重々承知している。
けれども、冷酷な判断だろうが大人たちからすれば頑張ることが普通なのに、
きっと自分は親として世間に評価をされないと“頑張ってるのになんで?”と、反発するオツムなのだ。
常識とか世間体とか、まだまだ若い洋平がどんなに大事にしようが、
大人たちからすれば不快指数をアップさせる原動にしか映らない場合があるから――
『子育てしてない親も居るしね』と、久しぶりに口を開いた雅の言葉は、正に“小野沢さんち”



